ク. 教育・文化
政府が決定した「留学生受入れ10万人計画」(昭和58年度)により外国人留学生・就学生の受入れが積極的に推進されてきた結果、アジアを中心とするかなり多くの外国人の学生が日本の高等教育施設で教育を受けており、その数も平成9年には9万人近くに達している。これら留学生・就学生の相談は多岐にわたるが、留学・就学生活に随伴する在留資格、住宅(特に留学生)、就労(アルバイト)関係の相談が目立って多いのが特徴的であり、これらの相談事例については、それぞれの事項でみてきたところである。
この分野で今一つ特徴ある傾向は、外国人の滞在の長期化、家族化が進んだこともあって、子弟の教育問題が滞在外国人にとって重要なことの一つになりつつあるということである。また、滞在外国人が多国籍化していることや単身型から家族型の滞在が多くなったことなどから、「日本語学習」に関する要望・意見などが相談の中に多くみられ、特に、各地域の国際交流協会等の相談窓口でのこれら事案の取扱件数が多くなってきていることである。
ここでは、これら「子弟の教育」と「日本語の習得」に関する問題についてどの様な問題が提起されているのか、幾つかの具体的事例を整理した。
1] 小中学校・幼稚園
小中学校・幼稚園関係の相談では、「日本の学校(幼稚園を含む)に入学の可否」「入学可能な学校のリストの入手方法」「入学手続き」などについての一般的な問い合わせが多いほか、次のような事例がみられる。
[事例:日本の学校に入学することへの不安]
○フランス人の家族。女の子を日本の学校に入れたが、家庭での会話が混乱してしまってパニック状態になってしまい、フランス語の学校に入れ直すかどうかで親どおしの意見が分かれて困っている。(東京)
[事例:英語で学べる学校(学級)の整備]
○帰国した後の子供の将来のことを考えると英語で勉強のできる学校を選択したい。そのような学校はあるのか。(大阪)
○日本語のできない子供が普通の学校で勉強するのは難しいと思われるので、少なくとも英語で勉強のできる学校(教室)を世話してほしい。(千葉)
この種の相談に関連して「国際化する日本においても低学年のうちから国際共通語ともいえる英語教育を充実するべきではないか」という意見も相談の中にもみられる。
また「いじめ」や「体罰」の問題について悩みを訴えるものもみられる。
[事例:子供のいじめ]
○中学2年の子供が学校でいじめを受けている。学校に申し出たが、学校側のそれに対する対応の仕方に不満がある。