1] 治療
在留外国人が病気の時に「適切な病院を選択し、適切な治療が受けられるかどうか」ということがまず一番の問題となるが、次の端的な相談例からも明らかなとおり、「病院の選択」「医師等との意思疎通」「治療内容の理解不能」など、外国人の不安がそのまま現実になっている姿が相談の中に多くみられる。
[事例:急病時に専門外の病院に行ってしまった]
○心臓病の持病を持っていた。3か月ほど前、急に胸が苦しくなり、同国人に近くの病院に連れていってもらったが、二人とも日本語が分からず、整形の病院に行ってしまった。そこの病院の医師が、適切な病院に連絡・移送してくれたので事なきを得たが、外国人が急病のとき適切な対応ができるようにしてほしい。(香川)
[事例:病院の受診時の通訳]
○妊娠後、体調がすぐれず産婦人科の病院で診察を受けたいと思っているが、日本語が全く話せず、どのようにして症状を訴えてよいか分からない。病院に同行してくれる母国語のできる通訳を世話してもらえないか。(大阪)
このほか、「女性の医師のいる病院を紹介してほしい」「母国語で受診できる医療施設を紹介してほしい」「緊急時(救急等)の対応等の情報を記載したパンフレットを作成、配付してほしい」などといった要望等が多く提起されている。
また、次の事例のように、「病状が相当悪化するまで病院にかからない」というような、憂慮される事態などが発生している例もみられた。
[事例:高額な医療費の負担]
○派遣会社で働いているが、健康保険に加入していない会社である。病気になったので病院で受診して必要な治療を受けたいと思っているが、医療費が嵩みそうで、どうしたらよいか分からず困っている。(広島)
2] 医療保険
我が国の医療保険制度は、相互扶助を基本とした国民皆保険制度となっており、日本国内に居住する誰でもが健康保険(健保)又は国民健康保険(国保)のいずれかに加入しなければならず、一定の期間以上滞在する外国人に対しても適用(強制加入)される仕組みとなっている。この制度は、暮らしの中で重要な位置を占める医療の問題と表裏一体をなすものであることから在留外国人の関心も高く、その相談内容も、「医療保険への加入希望」を始めとして「制度・仕組みや加入方法」「健保と国保の違い」「保険の医療費負担率」「保険料率」など、医療保険制度の基本的な事柄についての問い合わせが極めて多い。
中には、次のように、「国保料の急激な増加」「不公平な減額措置」などを訴える事案も少なくない。