「住まい」に関する問題で最も目立つ相談は、「外国人であることを理由に入居を拒否される」とする相談が多く、その深刻さを訴える次のような事例がみられる。
〔事例:外国人であるために拒否される入居〕
○アパートに入居するため不動産屋を訪れたが、ほとんどの不動産屋は私がインド人であるというだけで話を聞こうとしなかった。「勤め先の会社の保証がある」と言っても拒否した。実際に話を聞いてくれたのは20軒に1軒位だった。(東京)
○アパートを借りるために、妻が不動産業者に電話で照会した。夫が外国人と分かると「部屋はない」と断られた。このように人種によって差別し外国人を控訴する行為は人権侵害に当たると思う。(大阪)
「住まい」に関しては、日本独特ともいえる「敷金」と「礼金」についての問い合わせが多いが、中には、「礼金・敷金が高い」「敷金を返してもらえない」等と訴えるものもみられる。
また、賃貸契約の際に要求される「保証人」についても日本人であることを条件とされており、在留外国人を悩ます問題の一つとなっている。
〔事例:敷金の返還〕
○民間アパートに契約に従って敷金と礼金を支払って入居した。退去時に敷金の返還を求めたが、家主は言を左右にして返還に応じない。どのようにしたら返してもらえるか。(東京)
〔事例:礼金・敷金制度は不合理〕
○礼金・敷金(5か月分)があまりにも高すぎて条件の悪いアパートしか借りられなかった。短期間の入居になる留学生にとっては本当に不合理な慣行であるといわざるを得ない。(宮城)
〔事例:再契約後の敷金の上乗せ〕
○住居と事業兼用のマンションを2か月分の更新料を払って再契約した。その後「3か月以内に立ち退くか敷金を上乗せするか」という無理な注文を強硬に突きつけられた。家主の言うとおりにしなければ退去しなければならないか。(東京)
〔事例:保証人の確保〕
○留学して1年間は学生寮に家族で入居できたので住宅の心配はなかったが、1年後からは学生寮を退去しなければならず、やっとの思いで入居できる民間住宅を見つけたが、保証人を確保できず、結局入居を断られてしまった。(高松)
○公営住宅に入居する条件として「2人の連帯保証人が必要」と言われた。来日して間もない外国人にとって保証人を確保することは非常に難しい。せめて公営住宅については、この入居条件を緩和できないか。(広島)
なお、公営住宅について在留外国人の入居希望が強く、「外国人の入居可否」「入居基準・資格」「入居手続き・方法」「募集時期」などについての問い合わせなどの相談事例が多くみれれる。在留外国人として一定の条件を有すれば入居資格があるが、公営住宅の入居に関して母子家庭、老人等のように特別枠が設けられる施策がとられていないこともあって、極めて狭き門となっているのが実態である。