すなわち、自治体には国際化についての諸課題を協議する場としての役割が、協会には国際化施策を実施する役割が要請されているといえよう。その意味では、外国人相談窓口を協会に設置し、これを自治体がバックアップしていく体制はこの理念に適合するものであろう。
このほか、政令指定都市の行政区に設置されている区役所等の活用やボランティア団体との連携などが特色としてあげられよう。
(4) 民間団体等による特定分野の外国人相談
外国人相談のみならず国際化への対応において民間団体の果たす役割は極めて大きいといえる。人権意識の啓発や国際協力、不法滞在者への対応、女性の緊急保護、留学生相談、日本語ボランティアなど民間団体に期待されることは大きく、都内だけでも700を越える民間団体が国際的な活動を行っている。
ア. 法律相談窓口
在留外国人の滞在が増えるにともない法律相談の必要性が高まっており、前述した地方公共団体のなかでも外国人相談のなかに法律相談窓口を設置するところや日本人住民を対象にした法律相談に通訳等を介して外国人からの相談に応じるところも増えている。
法律相談については、専門家の協力が不可欠であり、その意味ではこれら弁護士、司法書士、行政書士などの専門家の職能団体が重要な役割を演じているといえよう。
東京では東京弁護士会、第一東京弁護士会、第二東京弁護士会、法律扶助協会東京支部が東京法律相談連絡協議会を組織し、弁護士会館1階の東京弁護士会法律相談センターにおいて法律相談を実施している。相談内容は、在留資格、国籍、国際結婚・離婚、国際経済事件についての相談や日本語の不得意な外国人の民事事件、労働事件、刑事事件など日本法全般にわたっている。対応言語は、英語と中国語で、月曜日から金曜日までの午後1時から4時まで有料で相談を受け付けているが、木曜日は無収入、低収入者のための無料法律相談を実施している。相談者が希望し、相談担当弁護士が必要と認めたときは、事件を担当する弁護士を紹介するが、事件の依頼をする場合には、弁護士会の報酬規定による費用が必要となる。なお、資力の乏しい方のために、裁判費用、弁護士費用を立て替える法律扶助の制度がある。
学生などの無収入者や低所得者に対する法律相談を充実させるために、地方公共団体が実施する無料法律相談へ外国人が参加しやすくするために通訳の確保など環境を整備することや法学部を有する国公私立大学と提携して外国人のための無料法律相談などを実施していく必要があろう。