6.4 通航船舶の概略通航経路
潮岬沖を航行する船舶の概略通航経路を航跡図、度数分布、密度図などから船型別に模式図にすることを試みた。
i) 陸岸至近を通航する漁船などの20GT未満の小型船は図中のAの経路で表すことができる。
ii) 1,000GT未満の船舶はそのほとんが陸岸と自主設定航路の間の水域を利用しており、概略、Bで示すような経路で表現することができる。また、この経路は6,000GT未満の船舶においても一部利用されていることから、この経路では双方向の船舶交通が存在する。
iii) 図中のCの経路は自主設定航路の西航レーンに相当するが、この経路は1,000GT以上の西航船が利用するほかに6,000GT未満の東航船が利用しているため、西航レーン内で双方向の船舶が存在する。
iv) 自主設定航路の東航レーンは図中のDの経路に相当するが、この経路は陸から比較的離れているためか西航する船舶も少なく、およそ1,000〜30,000GT未満の東航船が利用している。
v) 自主設定航路が設定されている水域以遠の経路は10,000GT以上の東航・西航船が利用する海域で、VLCCなど非常に大型の船舶については、さらに沖側の水域を利用しているものと推察される。