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また、さらに実際に近い混雑状況を表現するために対象となる船舶の大きさについても考慮している。すなわち、船舶の大型化に伴って船長および船幅は大きくなり、海域全体における物理的占有面積が大きくなり、混雑状況に大きく影響を与えるためである。

本検討では1つのメッシュを500メートル四方に区切り、各メッシュにおける航跡密度(隻/km2)を求め、その大きさを濃淡として表現することとした。また、船舶の大小による重み付けは表 5.1に示すL(L2)換算係数を用いることとし、ここでは本調査において最も多くの通航が確認された200〜500総トン数の船型を「標準船型」として定義した。L(L2)換算係数は、標準船型の船長(m)で基準化した係数であり、対象船型が大きくなるほどその係数も大きくなるものである。以下に航跡密度の算出式を示す。

039-1.gif

ただし、

D :航跡密度〔隻/km2

n :船舶数(添字のiは個別の船舶を示す)〔隻〕

K :L(L2)換算係数(船舶の大小による重み付けをしない場合 K=1)

λ :メッシュ内航走距離〔m〕

V :メッシュ内通航船舶の速力〔m/sec〕

λ/V :メッシュ内存在日間〔sec〕

a :メッシュ面積〔km2

T :集計対象時間〔sec〕

表5.1 L (L2)換算係数

039-2.gif

※L(L2)換算係数算出のための船舶の全長は、(社)日本海運集会所および(社)日本作業船協会発行の1998年度版「日本船舶明細書」、「内航船舶明細書」、「小型船舶明細書」、「現有作業船一覧」等を参考とした。

 

 

 

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