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何故ならこのサービスはレーダーを補足するものだからである。

AIS情報の取得度が95%というのは、シンガポール周辺及び特に基地局の設置位置付近の電波環境が良くないことに原因があると考えられる。信号の消失はランダムで、同時には発生しないが、取得度のこのパーセンテージは船上と陸上の両方に当てはまる。このランダムな信号の消失が、運用上に及ぼす影響は無視できると思われる。船上のAIS機器は、無線電話VHF装置とは別個のものであることが留意された。

AISによる位置情報はGPSアンテナの位置で船そのものの位置ではないので、誤解を招くのではないかという懸念が表明された。しかし、これに対して、AISメッセージには船の大ききについての情報と、GPSアンテナの船上での位置についての情報が含まれていることが説明された。IMOもまた、トランスポンダーには航行用に使われるGPSによる位置情報を利用することを要求している。

AISメッセージには船の種別の情報も含まれているので、必要であれば、VTSの表示器上で各種の船を区別して表示することが可能である。

バルチック海海域に関する発表では、旅客フェリーを含む2件の深刻な事故の後、このような船舶は各航海ごとに搭載人員を報告するよう求められていることが確認された。

 

 

 

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