南アフリカ共和国が、VTSシステムの分析及び設計を行った際の取り組み方について述べている。
システムの実際の設計、及び情報管理、無線通信、電話、気象情報並びに記録システムなどのサブシステムの実施に際して遭遇した問題が明らかにされている。このような問題をどのように解決したかが述べられている。
ヨーロッパにおける河川情報サービスの開発
Mr. Ten Broeke (オランダ)
Mr. C C Glansdorp (オランダ)
オランダを中心にドイツ、ベルギー、オーストリア、フランスが参画してヨーロッパで行われている河川情報サービス(RIS)の開発について述べている。基本要素である操船上の交通イメージ、交通整理上の交通イメージ、及び航路情報サービスについての検討が述べられている。
質疑
VTSで得られた情報は公開すべきかについての質疑があった。マレーシアVTSセンターで得られた情報は、運用上の目的からシンガポールVTSセンターとの間で交換が行われている。オーストラリアでは公開されておらず、“局内”に限定されている。南アフリカのVTSシステムでは、適当な情報を他の機関に渡している。基本的情報を公開することには問題がないが、AIS送信における秘密の保持の問題については明確にしておく必要があるであろうというのが示された見解であった。オランダでは厳格なプライバシー規則があり、何が公表でき何が公表できないかが明確になっている。
質問に答えて、マレーシアは、義務船位通報制度(SRS)とVTSとは実際上違いはないと考えていると述べた。
内陸水路交通での利用が提案されているAISと外洋船舶のAISとの両立性についての懸念が表明された。しかし、討論の中途で、内陸水路の交通はこの点についてはIMOの指導に従うと思われ、従って両立性は達成されるであろうということが述べられた。
マラッカ海峡を通過する船舶が水先人を利用するかどうかは、その船が海峡内の特定の港に向かうのでない限り任意である。