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この検討の際には研修生の関係科目における知識と技能及びそれまでの技術的教育の実際のレベルを念頭に置かなければならない。具体的教授細目内に実際の研修生の参加時レベルとモデル教科課程で予測されるレベルとの間で困難を生じさせ得る分野があれば明示されなければならない。このような格差を補うために、教官は研修生たちが既に取得している知識又は技術を扱う項目を課程からはずし、若しくはそれへの力の入れ方を加減することが望ましい。教官は亦、研修生たちが身につけていない可能性のある学術的、知識技能又は技術研修も確認しなければならない。

具体的教授細目及び技術分野の研修を進めることを可能にする学術的知識を分析することで、教官は弱点が明白な科目には然るべき参加準備課程を設計できる。別の方法として、関係技術研修要素を支えるのに必要な学術的知識の要素を教授細目の適切な時点で挿入することもできる。

教科課程を完了したVTS研修生が明示された目的と異なる任務を引き受ける場合にはモジュールの目的、範囲及び各科目の内容の調整が必要なこともある。

 

授業計画

モジュール型のプレゼンテーションは教官が教科内容を研修生が取り入れるのに適するように調整し必要に応じて科目の目的を改めることを可能にする。教官は各教授細目及びその中で参照される教科課程用に勧告する教科書や教材に基づいた授業計画を策定しなければならない。具体的教授細目の学習目的に調整の必要がないと思われる場合は、授業計画はキーワード又は教官が素材のプレゼンテーションを行う際の助けになるように加えられるその他の備忘録のみで構成されてもよい。

教授計画の作成に役立てるために、VTS職員用モデル教科課程では能力の5レベルが使用されている。レベル1から4はVTS運用者の基本研修のためのモデル教科課程で使用され、レベル3から5はVTS監督者への進級のためのモデル教科課程に使用される。

能力の各レベルは学習結果、指導目的及び要求される技能によって定義される。各科目について勧告される能力レベルは各モジュールの第3節「科目概要」に示されている。

(1)学習結果 (2)指導目的 (3)技能

 

レベル1

(1)日常の及び予測できる性格の一般に監督を要する仕事。(2)理解:事実と原則を理解する;口頭及び文書の資料を解釈する;海図、グラフ及び説明図を判読する;デ―タで示唆される将来の結果を予測する;方法及び手順を正当である理由を示す。(3)指導された応答:複雑な技術を学ぶ初期段階であり教官によって例示された行動を繰り返すこと及び適切な応答を見分けるために多重応答的方法(試行錯誤法)を使用することによる模倣を含む。

 

レベル2

(1)より重い個人的責任に関わる更に難しい仕事範囲。複合的/非日常的活動も幾分か含む。(2)応用:概念及び原則を新しい状況に応用する;法則や理論を実際的状況に応用する;方法又は手順の正しい使用を実証する。(3)自主的応答:学習した応答が既に習慣になり、自信のある熟達した動きをする。

 

 

 

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