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3.3 VTSシステムの等級に関する勧告の発展

ワーキンググループは、VTS分類問題を評価した。検討した書類は以下の通り:

・ VTS10/6/1;ワーキンググループ1委任事項、第4(c)項、VTSシステムの等級に関する勧告の発展

・ VTS11/6/1rev1、VTS運用目的と課題

・ VTS12/2/6、作業計画

・ VTS11/2/12、VTSの等級

・ 第14回IALA会議の議事録、第5章、VTS分類

また、VTSの開会本会議で述べられた意見についても検討された。開会本会議では、VTS委員会の若干数のメンバーが、港湾のその他の安全システムから孤立したVTSの分類が、他の航路標識や海上業務とVTSの相互関係に問題を与える可能性があることに懸念を表明した。

VTS12/2/1aの著者であるMr.Kentは、その書類をワーキンググループに提出した。書類には、航路や水路の配置など、様々な航行要素の複雑さの水準を評価して重み付けをするために、マトリックス化したアプローチを利用する等級計画について記述されている。ワーキンググループの間で、どのようにしてその書類を海員のための分類システムにつなげていくか、懸念が表明された。

VTS分類に向けたこのアプローチは、ワーキンググループによって検討されたが、それは委任事項に記載されている課題と矛盾するものである。さらにワーキンググループは、VTS分類システムをつくる際に利用される基準に、(1)交通画像を作成するために使用する機器と、(2)提供する業務の水準を含めるべきであると考えている。ワーキンググループは、委任事項(VTS10/6/10)の要件は、海員のためになり、提供する業務水準に基づいたVTS分類を確立することであったことを、あらためて述べた。

ワーキンググループは、前述の懸念を考慮に入れたVTS分類システムを提案するワーキングペーパー(VTS 12 WG 1 WP2)を作成した。VTS委員会には、この懸念事項、及びVTS12/2/1aで提案された方針とマトリックス化した評価手続きを検討して、このワーキングペーパーについてコメントするように依頼する。委員会のより詳細な情報に基づいて、水路の等級は、Annex Aに明記されるVTSの実施に関する勧告へとつながることが可能となる。その後、VTSの等級に応じた適切な研修及び運用基準を確立することができるだろう。

 

 

 

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