Rm=Am-x・Ax・σ…(11)
そして(11)式に前記R=Ax・σを代入して(12)式を得る。
Rm=Am-x・R…(12)
(12)式においてm-X=1を新規の基準とする。従ってこの場合X=m-1となる。(12)式は(8)式の標準偏差σを、円形物標の半径や船舶の長さ等の距離基準Rに変更し、共通の公比Aの冪数mを(m-X)に変更したものである。従って新規の冪数(m-X)を用いて、(9)式と同様に、複数の誤差円の半径を等比数列の関係式で表わすことができる。そして前記距離基準Rによる誤差円と同心円状に特定距離を隔てた誤差円を画き、その内部に物標のある位置確率と、その確率の関数(m-X)を算出することができる。
このように、物標の大きさ算出条件に従い算出された物標の大きさ(前記円形物標の場合は半径)を距離基準として、該距離基準に基づき物標の中心位置から特定距離を隔てた地点における物標の位置確率の関数を算出して、該算出値の大小によりそこでの衝突などの安全または危険の尺度情報としてはじめて、位置を簡単に把握することができる。[1]
また、位置づけはある基準となる位置から求められた位置までの距離を知り距離順に並べることであるが、例えば群れをなして錨泊している船の分布における位置づけについても、位置の把握と同様にして簡単に把握することができる。[2]、[3]、[4]
参考文献
[1] 日本国特許庁:特許公報(平成11年10月)、特許第2955966号
[2] 杉崎明生:位置の論理、日本航海学会論文集、第43号、1970
[3] 巻島勉:群れをなして錨泊している船の分布について日本航海学会論文集、第48号、1972
[4] 巻島勉:群れをなして錨泊している船の分布について―II、日本航海学会論文集、第49号、1973