参考資料7
追尾のロストと乗り移りの関係
一般に、追尾物標の映像が確実に入力される場合は、追尾のロスト発生率は追尾ゲート幅に反比例するため追尾ゲート幅を狭くすると付近の他船などの映像に乗り移る確率は低くなるが追尾でロストする確率は高くなる、逆に追尾の乗り移り発生率は追尾ゲート幅に正比例するため追尾ゲート幅を広くすると追尾でロストする確率は低くなるが付近の他船などの映像に乗り移る確率は高くなる。つまり、追尾ゲート幅(注1)に関して追尾のロストと乗り移りは背反関係となっている。図1は、これらの関係を示す模式図である。
図1.1は、追尾で他船映像(または偽像)に乗り移る位置と確率との関係を説明する図、図1.2は、追尾で偽像(または他船映像)に乗り移る(またはその後ロストする)位置と確率との関係を説明する図である。
理論的には、追尾ゲートの最適幅は追尾物標の位置確率が最大となりかつその他の物標の位置確率が最小となる、すなわち物標などの位置確率が等しくなる(例えば双方の物標位置を結ぶ線分の中点をとおる垂線となる位置確率の等価線で囲まれる)位置で定まる。