日本財団 図書館


087-1.gif

(8)式において、Aの冪数mの値は、m=1が基準であり、この場合Am=1.1774となり、半径Rmの誤差円の内部に位置のある確率は50%である。また(8)式のAの冪数mの値が1より大きいときは、Am>1.1774となり、その誤差円の半径Rmは大きくなり、その誤差円の内部に位置のある確率は50%より大きくなる。同様にAの冪数mの値が1より小さいときは、Am<1.1774となり、その誤差円の半径Rmは小さくなり、その誤差円の内部に位置のある確率は50%より小さくなる。

つぎに、前記比例係数Aの値を(m―1)乗したAm-1の場合の誤差円の半径Rm-1は、Rm-1=Am-1・σとなり、mは基準を1とする散値のため、つぎの(9)式が得られる。

Rm=Am・σ=A・Am-1・σ=A・Rm-1 …(9)

(9)式は船位誤差界の半径が、公比をA、冪数をmとする等比数列(または幾何数列)の関係で表わせることを示している。(但しこの例では、m=1を基準としている)

また(7)式よりこの冪数mの値に対応する位置確率Pは、この(7)式を変形して、つぎの(10)式から求められる。

087-2.gif

すなわち、(10)式で示される物標の位置確率Pの関数mを、前記位置確率が所定の基準値(この例では50%)となる誤差円の半径Rmを算出する(8)式の公比Aの基準冪数(この例では冪数m=1が基準)とする。そして、前記冪数mが基準値の誤差円と同心円状に複数の誤差円を画くと、これらの誤差円の内部にある位置確率P及び該位置確率の関数mを算出することが可能となる。このことは、大きさを持った物標が例えば円形物標でその半径がRの場合に、前記物標の中心位置からの距離がR=Ax・σとなるXの値を基準にすると、前記誤差円の半径Rmは、(8)式の基本形を変形した、つぎの(11)式のように表わすことができる。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION