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水中部の計測精度として、測深分解能±1cmとなっているが、添付資料3-2から、±5cm程度の計測が可能であることが実証されている。

また、1つのビームが計測する範囲(フットプリント:1つのビームが計測するエリアの大きさ)は、水深がd(m)であるとすれば、約d×sin(1.5゚)の四角形である。

また、船舶進行方向の測深間隔S(m)は、

測深間隔S(m)=Vs(m/S)/20

Vs:航行速度、(20(Hz)で計測した場合)

となる。

気中部の計測は、GPSの測位位置と動揺補正装置からの情報に基づいたカメラ位置から、岸壁上の座標を押さえる。GPSの位置計測精度は、水平方向:±(1cm+2PPm・D)、垂直方向:±(2cm+2PPm・D)(D:基地局と計測場所までの距離(cm))であり、電波条件等を考慮して基地局との距離は5km以内が望ましい。写真計測における水平方向の位置特定精度(画像上のピクセルを押さえる精度)は、写真の縮尺と、画素の大きさによる。また、奥行き方向の精度は、これに基線比を乗じたものとなる。(添付資料1の(1)式を参照)つまり、撮影距離Yの誤差ΔYPがその距離の2乗に比例して最も大きく現れる。結局、撮影距離が短く、撮影基線が長いほど高精度で測定できる。従って、撮影縮尺が大きく、基線比が大きいほど良い測定結果が得られる。

実際の計測時には、以下の点を確認し、より適正な条件でデータを取得する必要がある。

・カメラの撮影範囲

・モデルの重複度(撮影範囲の60%以上必要)

・目標物(岸壁)との距離

・船舶の航行速度

当然、岸壁から離れて撮影すれば、精度は低下するが、計測速度(船舶の航行速度)は高めることができる。従って、災害時に早急に計測が必要な場合は、速めのスピードで計測し、より精度が必要な場合は、岸壁に近づいて計測する運用方法が考えられる。

計測条件と予想される精度の一例を表4.3.8.2に示す。

 

 

 

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