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(a)写真計測による誤差:

写真測量の精度は、式(1)のように一般的に写真縮尺つまり撮影距離によって決まる。

066-1.gif

ここで:

f:レンズの焦点距離

Y:撮影距離

B:撮影基線

B/Y:基線比

△P:写真上での水平位置の測定後差

△YP:誤差

つまり、撮影距離Yの誤差△YPがその距離の2乗に比例して最も大きく現れる。結局、撮影距離が短く、撮影基線が長いほど高精度で測定できる。従って、撮影縮尺が大きく、基線比が大きいほど良い測定結果が得られる。

ここで、式(1)に今回の撮影条件を当てはめると以下のようになる。

・焦点距離:35mm

・対象物との距離:約9m

・カメラ間の距離:2.315m

・写真上での水平位置の測定後差:0.01mm(1画素あたりの大きさ)

従って、計測誤差として水平位置で2.57mm、△YP(奥行き精度)で約10.05mm程度であることが分かる。これは写真測量を行う以上、排除することができない誤差である。

 

(b)基準点測量時の誤差

カメラ位置を特定する基礎データである目標物の位置データも、トータルステーションを用いて計測しているため、その計測誤差が発生する。今回使用したトータルステーションは、測角精度(V・H)5秒、測距精度5mm+2ppmである。目標物を設置した岸壁の範囲は50m以内であり、ピンポールミラーを目標物に直接設置したため、位置測定精度は約8mm以内である。

 

(c)基準点測量(GPS)の誤差

目標物の座標系を決定するために、岸壁の計測範囲の両端に基準点を設置し、この位置をRTK-GPSを用いて計測した。図4.1.5〜図4.1.7に基準点計測時の計測データを示す。グラフから、平面のユレ幅は約±15mm程度、高さ方向の揺れ幅で約±50mm程度であることが計測結果より明らかになった。

 

 

 

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