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1]座標原点の不一致

計測の基本となる座標系を設定した時点で、動揺補正装置の水平位置が不明であったため、金具の上部から座標系を構築した。その結果動揺補正装置との原点にズレが生じ、データの値が一致しないことが考えられる。

2]カメラの振動

船体からの振動によりカメラが大きく振動する様子が観察された。

座標原点の不一致による、座標のズレは元々存在することを予想していたが、解析結果には一定のシフト量は見られなかった。従って、角度データの誤差の大きな要因は、今回の実験時に観察された“カメラの振動”によるものであると考えられる。振動の少ない取り付け金具の鉛直部分と、振動が大きい上部のアンテナ取り付け部(横棒部分)の振動が異なるとともに、カメラ本体への細かい揺れが加わったために、特に振動周期が短いRollの計測誤差が大きくなったと考えられる。

 

3.2.2 陸上実験

海上実験から、カメラの位置計測精度に約±10cm、最大約12cmの誤差があることが明らかになった。また、画像データから算出したカメラの姿勢と、実際に動揺補正装置で計測した角度データに大きな差異があることが明らかとなった。

そこで、船舶の代わりに動揺の少ない車両を用いて、陸上でのデータ取得実験を行い、誤差要因を検証することとした。

(実験についての詳細は、添付資料2「陸上実験」を参照)

 

3.2.2.1 実験概要

海上実験の再現のため、基本的なデータ取得装置であるスチルカメラ、シャッター装置、RTK-GPS受信機、シャッター制御用PC等の基本的な使用機器は、海上実験と同様のものを使用した。

 

(1)実験場所

今回の陸上実験では計測区間を約20mとし、目標物から計測する実験車両までの距離を約10m程度確保することができ、車両が走行可能で目標物が設置できるような壁を持つ広場にて実験を行った。

 

 

 

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