添付資料2
陸上実験
1. 実験目的
海上実験において、画像データから算出したカメラ位置とGPSで計測した位置との比較を行った結果、カメラの位置計測精度に約±10cm、最大約12cmの誤差があることが明らかになった。また、画像データから算出したカメラの姿勢と、実際に動揺補正装置で計測した角度データに大きな差異があることが明らかとなった。
そこで、船舶の代わりに動揺の少ない車両を用いて、陸上でのデータ取得実験を行い、振動および動揺が精度に与える要因を明らかにし、この角度誤差がカメラ振動に起因するものか否かを確認するとともに、画像計測の実用的精度を検証した。
2. 実験概要
海上実験の再現のため、基本的なデータ取得装置であるスチルカメラ、シャッター装置、RTK-GPS受信機、シャッター制御用PC等の基本的な機器は、海上実験と同様のものを使用した。また、今回の実験においては、画像データから算出したカメラ位置と、GPSより計測したカメラ位置の誤差の傾向を厳密に比較するために以下の点に特に留意して実験を行った。
・正確な写真計測を行うために、専用のカメラ固定台を使用した。
・カメラ位置をより正確に算出できるように、20mの計測範囲内に100点以上の目標点を均等に配置した。
・カメラ位置とGPSアンテナの据え付け位置をより正確に計測するために、キャリブレーション用の画像データを記録した。
・GPSデータの情報をより多く取得するために、後処理用のキネマティックGPS測量をRTK-GPSと平行して実施した。
・近くに基地局がないため、実験地域の横にキネマティックGPSの基地局を設置し、GPSの基線長さによる誤差を排除した。
・シャッターの時間遅れとシャッターの時間遅れを含むシステムの時間遅れを再度計測して確認した。
2.1 計測項目
本実験では、以下のデータを計測して精度の確認を行った。
・RTK-GPSを用いたGPSアンテナの座標データ
・後処理のキネマティック測位を用いたGPSアンテナの座標データ
・カメラによる画像データ
・計測エリアに設置した基準点と評定点の測量データ