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7.4.2 動揺制御装置の必要性検討

(1) 基本浮体構造物の固有周期の推定

3.1節の図3.1より、基本浮体構造物の固有周期は約4.2秒(浮体幅10m)と推定される。

(2) 基本浮体構造物の動揺量の推定

3.1節の図3.2、3.3より、基本浮体構造物の最大Roll角は約4.2度、上下加速度は約100Galと推定される。

以上のことから、基本浮体構造物の固有周期は、航走波の波周期4〜6秒の範囲内にあり、目標の上下加速度70Galを超えているため、動揺制御装置が必要と判断される。

 

7.4.3 動揺制御装置の選択

2.6節の図2.2に従えば、いずれの装置でも対応可能であるが、台船を想定していることから、できるだけ水線幅を大きくとること、屋根は設置できないこと、等を考慮して、浮体内部に設置できるTMD付加型を選択する。図3.14、3.15より、(B-Bw)/B=0.1(浮体幅10m、水線幅9m)を選択すると、TMD付加後の最大Roll角、最大加速度はそれぞれ、約3.1度、約70Galとなり、目標値を満足する。

 

7.4.4 動揺制御装置の設計

(1) TMDの総重量

まず、基本浮体構造物の重量は、図7.1より、

70mx10mx(2.8m-1.1m)x9.8kN/m3=11662kN(1190tf)

となる。従って、搭載可能なTMDの総重量は、図4.7より、

11662kNx0.048=560kN(57tf)

となる。TMD(図1.6参照)の錘(マス)以外の重量を、総重量のおよそ10%として、錘の重量を490kN(50tf)とする。

(2) TMDの固有振動数

まず、浮体構造物の固有周期は図3.4より約4.6秒(固有振動数fs=1/4.6=0.22Hz)

従って、TMDの固有振動数fdは図4.8を参照して、

fd=fsx0.98=0.22x0.98≒0.22Hz

となる。

 

 

 

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