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1.2 揺れない浮体構造物の特徴及び目標

「揺れない浮体構造物」とは、浮体構造物の動揺低減により、快適な利用環境を提供する構造物である。これにより、以下のように浮体構造物の利便性、快適性が図れることが期待される。

 

沿岸構造物の信頼性、安全性向上=人にやさしい浮体構造物

-高齢者及び障害者が安心して乗降できるバリアフリー浮体構造物

-利用者が疲れにくい快適な作業環境の提供

-荷役などの作業効率の向上

 

天候に左右されにくい陸海インターフェースの構築

-稼動効率の改善

 

ランニングコストの低減(維持管理)

-係留系(チェーン、係留フェンダー)の摩耗低減

 

1.3 揺れの有害成分

浮体は図1.2に示すような6成分の運動をしている。浮体上にいる人間が感ずるのはこれら6成分の合成運動(特に角度、及び、加速度)である。港内の波浪、内海の波、あるいは航走波等による、浮桟橋規模の浮体の運動による加速度及び傾斜角については、Roll(横揺れ)運動に起因するものが卓越している。

従って、人が不快感を感じる加速度と傾斜を抑制するために、Roll運動の低減を主目的として動揺制御対策を行うこととする。

 

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図1.2 浮体の運動成分

 

 

 

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