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また、今まで介護を家族だけと考えていたのですが、利用できる社会支援・資源を活用することで、可能になることも考えられました。自分の知識が資源になり、患者さん・家族のニーズを満たす選択肢を広げることができることを知り、反省させられました。

 

研修を通して学んだこと、今後の展望

 

6か月の研修を通しての学びは、私にとって大きなものになりました。共通科目としての看護論、看護管理、コンサルテーション、対人関係などは自分の視野を広げてくれました。他の分野の研修生たちとのグループワークは自分の意見を伝えること、相手の話を聞くこと、理解すること、意見を言うことなどを学ばせてもらいました。専門基礎科目は必要なことなのに解っていないことも多く、今後、何を理解していけばよいのか、解り易くなるのか、学習を行う上での視点を得ることができました。知識の面においては、学習しなくてはならないことと課題が多すぎて不安もありますが、少しずつ消化し、自分の言葉で表現していくことを続けたいと考えています。実践においては研修で得たことを自分自身が役割モデルとなり行っていきたいと考えています。そして日々の看護ケアの評価を患者さん・家族を含めて行ったり、振り返りを行い、自分たちのケアを形にして表現できるようにしていきたいと思っています。グループワークやロールプレイを取り入れ、互いの意見を出し合い、看護観を共有したり、尊重し合えることも必要になってくるのだろうと考えます。

自分を振り返るということも大切な学びでした。気づかなかった自分に気づいて嬉しかったり、悲しかったり、戸惑ったりした期間でもありました。弱みを強みに変えること、この言葉を何度も聞き、繰り返したように思います。新しい自分の発見が弱みであっても前進の可能性としてとらえ、考えていきたいと思えるようになりました。楽天的というより自分の強みにしたいと考えています。

チームアプローチや看護婦のストレスマネージメントも大きな課題でした。自分の感情の揺れが患者さん・家族に、そしてスタッフに与える影響を考えたり、振り返ったりしながら、どのように伝えていけるのか、考え方や視点の学びを得られたと考えています。

認定看護師の役割として「実践・教育・相談」があげられています。看護の質の向上をめざし実践していく役割モデルとしての機能を発揮できなくてはなりません。専門職としての倫理観を持ち、研修での学びを生かして積極的に知識・技術を向上させる努力を続け、自分を利用してもらえる信頼を得なくてはならないと考えます。心を豊かにし、愛を大切にできる感性を養っていきたい、自分自身を磨き、言葉・行動に責任を持ち、人を魅き付ける人間性を築いていく努力を続けたいと考えています。少しずつ積み重ねて結果にしていけたらと思っています。

今回、研修を通じて多くの人と出会いました。この出会いは私の支えになり、今後自分を振り返る時も、前に進む時も強い力を与えてくれると考えています。これからも、ネットワークを大切に広げながら、緩和ケアを深めて考えていけるように努力していきたいと考えています。

緩和ケアの概念にも新しいものが取り入れられてきているように感じます。なにか問題や困難にぶつかった時、この6か月を思い出し、振り返ることが次に進むステップを示してくれるような、大きな経験をすることができたと思っています。

最後になりましたが、今回は日本財団からの多大なるご理解とご支援をいただき、認定看護師ホスピスケアコースの研修を受講することができたことを深く感謝しています。この研修で学んだことを生かして、緩和医療、ホスピスケアに貢献していけるよう努力していきたいと思っています。

ありがとうございました。

 

 

 

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