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グループワークはお互いの意見交換をしていくことで自分を見つめるよい機会となりました。たとえ、多少の意見の食い違いがあっても、根本的なところは皆同じ気持ちでいることの居心地のよさも感じることができました。

そして、210時間という実習では、命の限られた時間をもつ患者と向き合うことは尊厳を守り、支え、それが少なくとも次世界に旅立つ勇気につながるのではないかと思います。また、国立療養所東京病院のHIVに対するケアの実際を知り、HIVが慢性疾患となる現状とエイズホスピスとしてのあり方など動向を知ることができ、HIVに対する偏見を自分自身改める機会とすることができました。

 

今後の展望

 

研修を終えた今、学んだ知識を統合し、認定看護師としての役割「実践・指導・相談」がありますが、機能を発揮するにはまだまだ消化不十分なところがあり、不安な点となっています。しかし、焦らず、小さなことを大切にし、少しずつ実績を踏みながら活動をしていきたいと思っています。今はとても自信がない状態ですが、そのような自分でも“I'm O.K.”してあげること、自分を信じることが大切であることを講義で学び、こころの隅に置いておきたいと思います。

また、この現場では何が問題とされているのか、自分にできることは何かをきちんと状況を見定めて指導を行うことや、相談に応じていきたいと思っています。例えば、現場で一番多い症状についての症状コントロールについて勉強会を開き、看護の質を上げられるようにスタッフと一緒にやっていきたいと思っています。そして、メンバーからパートナーシップとなれるよう対人関係を築き、一般病院の中に緩和医療の考え方、必要性をアピールし、浸透できればと考えています。

今回のコースで出会った仲間は、緩和ケアを行っていく上でネットワークとして、また自分の人生の中でも大きな財産としていきたいと思っています。

最後になりましたが、今回の研修にあたり、日本財団の補助をいただき、研修を無事終了することができましたことを深く感射いたします。

 

 

 

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