看護職の専門性とは、その人がその人らしく生活できるためにどんなケアが必要とされるのか判断し、チームメンバーと協働し、チーム全体をコーディネートしていくところにあると考えている。ホスピスの看護にはどんな独自性が求められていくのか、人生の最期にその人が望む生活スタイルを提供すること、死を迎える人が抱えている苦悩というものについて看護婦が考えていく意義は大きい。人間のスピリチュアリティーを高めていくこと、スピリチュアルの痛みが癒されていくことについて、自分の中で意味を見出し、自分の言葉で伝えられるようになりたいと思う。必ずしもスピリチュアルという言葉にこだわっているわけではないが、人間の持つ霊性、感受性というものを大切にしていくということは死を前にした苦悩を持つ人に、見送る側の人間が提供できる最大のケアではないだろうか。スピリチュアルケアというものを提供できるために、ケアにあたる看護婦のスピリチュアルな感受性についても考えていきたいと思う。
ホスピスケアは、人間のこころという目に見えにくいものが対象であり、明確な答えも出ない、評価が難しい領域である。しかし、それゆえに挑戦していきたいと思っている。
謝辞
認定看護師教育課程ホスピスケアコースの受講にあたり、日本財団からのご支援をいただき感謝いたします。貴重なご支援をホスピスケアに還元できるように貢献していきたいと思います。