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教員は各施設を訪問して、実習の進行状況や研修生の課題について指導者と面談し、その後研修生と面接して課題について話し合ったり、事例記録について適宜助言をした。教員は、担当施設を分担して1施設につき2〜3回訪問する機会があった。

2] 訪問看護ステーション、在宅医療部での実習について

5週間の実習を受けていただいている中に、訪問看護ステーションや在宅医療部を併設している施設が5か所ある。そこでは、継続で1週間または1週間に1回実習させていただいた。その他のステーションでは、5週間の前後に1週間継続で実習させていただいた。

(8) 実習のまとめ

実習終了後、2日間、グループで反省会を行い、以下の学びが発表された。

1] 学びの多かった事例について

a. 他職種が各々の専門性を発揮することで、患者のQOLが向上する。

b. 患者はあらゆる能力や価値をもつ自律した存在であり、看護婦としてその価値を日々の関わりを通して、見つけていくプロセスが大切である。日々の関わりとは、患者とともに時間を過ごしていくことであり、その積み重ねが価値の発見につながる。

2] 専門職に必要な資質について

a. 自分を知り自己を成長させていくことで、セルフマネージメントができ、これを基礎として知識や技術を積み上げていくことが大切である。

b. 信念を大切にし、相手と協同する力や、その時の状況に合わせて考えられる力を養い、柔軟性のある姿勢が求められる。

c. 資質として感性が最も重要であり、自分自身を磨き続けていくことが大切である。講義でも学んだが、感性とは違いがわかることである。

3] 役割モデルとなるには

a. 相手が何を求めているかを知り、相手が私達を活用できるように援助する。そして資源として役立つことで、相手や自分のセルフケア能力を高めていく。

b. アセスメント能力や実践する能力、そしてコミュニケーション技術を高める必要がある。

7) 演習(ケーススタディ)

実習中に受け持った2事例のうち、1事例をケースレポートとしてまとめた。発表日には、実習施設の方々を招待して、実習成果を知っていただく機会をもつことができた。また研修生の事例発表について講評や感想をいただいた。

 

学習成果の評価

 

1) 講義の評価

(1) 定期試験の実施と結果

6回に分けて実施し、1教科目につき60点未満の場合は、再試験を行った。全体の中で再試験が多かった教科目は、情報処理、文献講読、在宅ケアなどであった。在宅ケアでは、提出された事例を読み取るアセスメント能力が弱かったように思われる。

 

 

 

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