4] 専門基礎科目
3つのがん看護分野(がん性疼痛看護、がん化学療法看護、ホスピスケア)の共通科目である。「緩和医療」では、ホスピスの歴史や緩和医療の概念を理解し、患者の痛みをトータルペインとしてとらえる視点について学んだ。また「患者の教育的アプローチ」では、ロールプレイを通して日々の患者への関わりを振り返り、考察する機会を得た。「家族援助論」では、家族の発達段階や状況をアセスメントする家族看護の視点を学んだ。
5] 専門科目
ホスピスケアコース独自の科目であリ、「症状緩和と援助技術」が60時間を占めている。がんの末期に多く見受けられる全身倦怠感や悪液質、呼吸困難感、神経因性疼痛の病態生理と事例を通して、各症状のアセスメントを学んだ。さらに今回は、リラクセーションテクニックの一つとして、マッサージ療法を屋外授業で学び好評であった。
6] その他
講義全般が終了し実習開始までの1週間を用いて、実習に向けての自己課題を明確にし、イギリスにおける緩和ケアの実際をビデオを通して学び、ホスピスケアや緩和ケアの本質やその違いについて、グループディスカッションする機会を設けた。
(2) 講師について
ホスピスケアコースの担当教員が2名、非常勤講師が31名の計33名で講義を担当した(資料3参照)。31名の非常勤講師のうち、医学系の講師が10名、看護系の講師が16名、理学療法士が1名、ソーシャルワーカーが1名、宗教家が2名、音楽療法士が1名であった。
6) 実習
(1) 実習目的
ホスピスケアの最新の知識・技術を確実にするために、実習の臨床場面において、具体的に看護を展開する過程を通して認定看護師にふさわしい能力を養う。
(2) 実習目標
1] 終末期がん患者がもつ様々な健康問題に対して、的確な判断と確かな専門的知識・技術を用いて、質の高い看護ケアを提供できる。
2] 終末期がん患者の家族の悲しみや喪失・悲嘆、あるいは社会的、経済的問題を理解し、家族の精神的援助が適切に行える。
3] 他の看護婦の役割モデルとなって、教育・指導的役割を果たす。
4] 他職種のボランティアなど、終末期がん患者と家族の治療・ケアに携わるすべての人々との連携を保ち、効率的なケア提供のために調整的役割を果たす。
5] 解決困難な問題をもつ患者や家族のケアに関して、看護婦の相談を受けることによって、コンサルテーションの実際を理解する。
6] ホスピスや緩和ケアの特性を理解し、病棟(ホスピス)運営の目標や、課題の具体的な方法が考えられる。
7] ホスピスや緩和ケア病棟での看護実践を通して、認定看護師として必要な能力について理解し、併せて自己の能力の評価を行う。