(2) ホスピスケアに従事する看護職の現任教育における役割を担え、ホスピスケアに誇りと自信を持ち、自己研鑚を目指すことのできるホスピスケア認定看護師を育成し、ホスピスケアの質の向上を図る。
4) 入学選抜試験の実施
(1) 受験資格
1] 日本国の保健婦(士)、助産婦、看護婦(士)のいずれかの免許を有する者。
2] 上記の1]の免許取得後、通算5年以上の実務経験を有している者。
3] 社団法人日本看護協会に入会後、4年以上経過している者。
4] コース別に定められた特定の分野の実務経験を有している者。
a. 通算3年以上の、がん患者の多い内科・外科系の病棟等(訪問看護含む)での看護経験を有すること。うち1年以上は、終末期患者の多い病棟での経験であること。
b. がん終末期患者の看護を、積極的治療が行われてから死に至るまでを通して5例以上担当した経験を有すること。
c. 現在、がん患者の多い内科、外科系の病院等で勤務していることが望ましい。
(2) 入学試験の内容
平成11年2月19、20日に、日本看護協会看護教育・研究センターにおいて入学試験が実施された。試験内容は、客観試験、アセスメント能力を問う事例問題の専門科目I・II、そして小論文などの筆記試験と面接であった。
このたびの応募者は、26名であった。
(3) 研修生の背景
平成11年3月8日に入学試験の合格発表が行われ、合格者は20名であった(資料1参照)。20名のうち、施設から派遣された者は10名、休職者2名、退職者が8名であった。ホスピスまたは緩和ケア病棟の経験者は、6名であった。
20名の受講生の平均年齢は、入学時で33歳(最高48歳、最低27歳)であり、前年度より3歳ほど高かった。臨床経験の平均年数は、11.8年(最高24.8年、最低5.8年)であり、分野歴経験の平均年数は、7.7年であった。
(4) 就学状況
20名の受講生のうち、1名は臨床実習の直前に家庭の事情で休学した。
5) 講義概要
カリキュラムは、認定看護師制度委員会の提案したものをもとに作成されて、共通科目、専門基礎科目、専門科目、演習、実習に分類され、600時間以上となっている(資料2参照)。
(1) 教科目
1] 共通科目
すべての認定看護分野に共通した科目である。平成11年度は、認定看護師としての看護観と専門領域における問題解決能力とアセスメント能力を養うため、看護論I・IIが新たに共通科目に加えられた。看護論IIでは、終末期におけるがん患者や家族の事例をグループで検討し、プレゼンテーションを行った。さらに過去の看護展開を再度行い、ケアを評価した。