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既存のタンクの再利用

一部のガソリン設備をメタノール設備に転換しようとするステーションにとっては、既存のガソリン貯蔵タンクの再利用が、現在の全ての規制を満たす上に「メタノールに適合」するとの仮定では新しいタンクの設置よりも経済的な選択である。1996年のカリフォルニアエネルギー委員会(CEC)によるメタノール補給システムの設置および保守マニュアル4)では、過去にガソリンやディーゼル燃料を貯蔵していたタンクにM100(純メタノール)を貯蔵することを薦めてはいないが、CECのスタッフは最近になってその除外事項はやや保守的過ぎるということを仄めかしている。燃料中の残り滓を取り除くための現在の先進的タンク洗浄技術によって、メタノール貯蔵用に既存のガソリンやディーゼル燃料タンクを再利用することについての過去の懸念は払拭されたとの意見で一致している。5)

タンク洗浄業者は地下貯蔵タンク洗浄用に2つの技術を提案している。ひとつは酸素ボンベを装備した作業員がタンクの中に入って、手作業で内表面を洗浄するというものである。もう一方はタンクを外側から高圧洗浄するというものである。いずれの場合にも作業過程ではタンクを、爆発性の蒸気がないことが認められる程度の清浄すなわち「無ガス」状態とする。しかしながら、タンクにはいくらかの残留水分が入っているが、これは追加的なメタノールのすすぎ落としによりほとんど取り除くことができる。

既存のタンクを再利用するためのもうひとつの方法は、既存タンク内側に新規にガラス繊維製タンクを設けることである。ガラス繊維製パネルを既存タンクの輪郭に合うよう工場で予め製造しておけば、タンクが地中にあっても既存するタンク中への装着が可能である。タンク備品全体が新しいマンホールに付け替えられ現在の規格に改良される。1994年に導入されたこのRe Tank TMシステムは極めて経済的で、タンクそのものの置き換えより工期がずっと短時間で済む。

既存のタンクを再利用する場合、全ての機械製品およびタンクに流入出する全蒸気配管を交換しなければならない。また、二次格納容器に対しても新しい機械製品および蒸気配管が必要となる。

4. メタノール補給システムの設置および保守マニュアル、カリフォルニアエネルギー委員会、1996年3月(1998年11月改訂)

5. Peter Ward;私事通信、1999年1月27日

 

 

 

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