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貯蔵タンク

 

ほとんどの小売補給ステーションは、土地の有効スペースを商業的に最大限活用できるとの理由から地下タンクを利用している。地上タンクはフリート用補給設備として一般的であり、また土地の使用が特に問題とならない郊外での施設において利用される。地下タンクが500から50,000ガロン(1,890から189,000リットル)の規模で利用できるのに対して、地上タンクは250から12,000ガロン(950から45,400リットル)の規模で利用可能である。メタノールを入れるために許容される材料には炭素鋼、ガラス繊維(グラスファイバー)およびステンレス鋼が含まれる。経済的な理由からステンレス鋼のタンクは稀にしか用いられない。地下で使用される炭素鋼製タンクは、通常ガラス繊維でコーティングすることによって腐食を回避しなければならない。

埋蔵タンクの上部には最低限36インチ(91cm)の覆土材か、または8インチ(20cm)の強化コンクリート板を加えた30インチ(76cm)の覆土材を被せなければならない。ガラス繊維およびガラス繊維コーティング鋼製複合タンク用の覆土材には玉砂利を使う必要があり、鋼製タンクに対しては全て砂を用いてもよい。自動車がタンク上を走行しても損傷を受けないことを保証するだけの適切な覆土材が必要とされる。当該区域の地下水面がタンクに影響を及ぼすような高さとなるケースでは、浮揚防止のための措置を必要とする場合がある。3)

地上タンクは風雨に曝されることがあり、また太陽の紫外線で劣化しない材料をコーティングすることにより保護を施す必要がある。地上タンクは補給設備を利用する自動車からの衝突を避けるために保護柵の設置を要する。燃焼物が地上タンク外面と接触する可能性があるゆえ貯蔵燃料が爆発的に燃焼する恐れがあるため、地上タンクはUL2085に示される最低2時間の火災規格に適合したコンクリートのような耐火材でしばしば覆われる。

1. 地下貯蔵タンクに関する必要事項、米国環境保護庁、地下貯蔵タンク事務所、EPA/530/UST-88/008、1988年9月

2. SAE基準J1747懸案事項、ガソリン混合メタノール燃料の腐食テスト実施に関する推奨方法、およびJ1748、ガソリン混合メタノール燃料に曝されるポリマー材料の物性試験に関する推奨方法。

3. メタノール補給システムの設置と保守マニュアル、カリフォルニアエネルギー委員会、1996年3月(1998年11月改訂)

 

 

 

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