日本財団 図書館


7.0 将来の研究の必要性

 

この報告書には環境中のメタノールの消滅と移動に関する包括的な評価が含まれている。指摘したように、土壌、地下水あるいは地表水へのメタノールの意図せざる漏洩に関連したすべての消滅と移動の問題に対応するには、利用できる文献が十分でないいくつかの領域がある。この報告書で実施された検証に基づき、以下の研究への取組みが求められる:

1) 第5章で検討したように、もし必要であれば、メタノール添加物の選択が環境へのメタノールの漏洩により引き起こされるリスクを大きく変える可能性がある。添加物に対する必要性とその可能な選択が評価される時、添加物の消滅と移動につき、評価プロセスの一部として対応する必要があるだろう。

2) この報告書のために検証された文献は、メタノールはいったん土中に入れば急速に分解されることを示唆している。しかしながら、発生源の近くのメタノールの高い濃度は微生物にとって毒性があり、発生源の区域では限られた或いは全くバイオ分解が行なわれないという結果につながる可能性がある。結果的にメタノール給油区域、貯蔵区域、生産所あるいは輸送中に発生したメタノール漏洩の分析は、メタノールが環境中に多くは蓄積しないこと、あるいは飲料水の水源に悪影響を与えることはないということを確認するための作業となるだろう。

3) ガソリン・プルームと混和する可能性のあるメタノール、プルームの消滅と移動についてはこの報告書の第3章で簡単に検討された;しかしながら、いくつかの不確実な点がある。BTEXの消滅と移動に関するメタノールの影響はさらによく理解される必要がある。加えて、もしBTEXのバイオ分解速度が低下した場合、BTEXプルームの長さの増加に関するこの低下した速度の影響がさらに評価されるべきである。

4) もし上述の研究のいくつかが、メタノールあるいはメタノール添加物が土中に存続する可能性があるということを示したとすれば、これらの化合物の除去と処理に関する最善の技術を判定するために、評価が行なわれなければならない。選択された技術は発生源の区域、プルームの区域あるいは飲料水の水源池において、これらの化合物の除去に対応する必要がある。飲料水、への適応に関しては選択された技術あるいは技術の組み合わせは、プロセスの信頼性と法律上の認可という点に関し、飲料水業界の要求に適合しているかどうか判定される必要がある。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION