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6.2 水における毒性

 

メタノールの高い濃度はほとんどの植物や動物にとって毒性がある。タンカーからの大規模かつ集中した漏出の場合には、メタノール被曝の激しい影響により、漏出区域の動植物に損害を与える結果となる。

USEPAの汚染防止および毒物局(1994年)はいくつかの水生生物のメタノールヘの感受性について報告した。この研究はメタノールに関する致死中央値濃度、LC50、および有効中央値濃度、EC50の値を報告した(表6-4)。LC50は実験動物や植物の50%に致命的であることが予想される推定濃度であり、Ecg50実験動物や植物の50%に死以外の影響を与えることが予想される推定濃度である(致命的でない影響には行動、成長、固定化、生殖および平衡などにおける変化を含む)。

表6-4 報告されたメタノールとベンゼンに関する致死中央値濃度および有効中央値濃度

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(1) USEPA、1994年a;(2) Zogorskiその他、1997年;(3) USEPA、1980年;NA=入手不可。

この研究の結果は、メタノールは本質的に実験の対象となった生物に毒性がなかったことを示している。メタノールと通常の燃料との間の毒性と環境上の違いについてのさらに詳しい検証に基づき、Machieleは一般的にメタノールは石油燃料よりも海洋生物に対して著しく毒性が少なく、短期の被爆の影響の多くは一時的なものであり、回復可能と結論づけた(Machiele、1989年)。水生生物を保護するためのメタノールに対する水質基準はEPAによりまだ確立きれていない。

6.2.1  微生物集団に対するメタノールの毒性

一般的に、高い濃度のアルコール(10から15%)はほとんどの微生物にとって毒性があると考えられている(Brusseau、1993年;IngramおよびButtke、1984年)。

 

 

 

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