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6.0 メタノールの毒性学

 

6.1 メタノールの健康への影響

 

メタノールの特性と毒性はよく理解きれている。メタノールヘの人の接触は吸入、摂取あるいは皮膚の接触という経路を通じて起きる。確認されているメタノールヘの被曝を原因とする人の病気には、有機溶剤中毒、全身酸性症、視神経障害および中枢神経システム(CNS)への影響が含まれる。

表6-1 リスクの要約

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Machiele、1998年より援用;a1-問題なし。2 to 3=低いレベルの問題。4 to 6=中程度の問題。7 to 8=高いレベルの問題。9 to 10=重大なリスク。bカッコ内の数字は設計の変更によるリスクの減少を反映。cカッコ内の数字は添加剤の存在により摂取の可能性が低くなった場合。

しばしばガソリンよりも毒性が強いと考えられているにもかかわらず、メタノールの業務上の許容濃度(Threshold Limit Value─TLV)はガソリンの許容濃度よりわずかに低いものである(ガソリンの300ppmに対し200ppmの許容濃度)。表6-1はガソリンに対するM100(燃料電池で使用される100%メタノール)に関連するリスクを比べている。1991年に米国エネルギー省は、全体としてガソリンは純粋メタノールよりも人の健康によりリスクがあると考えられると報告した(USDOE、1991年)。

 

 

 

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