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この電気エネルギー消費値は、1000ガロン毎の処理水に関してメタノールの濃度を100ppmから10ppmに下げるために20キロワット/時間が必要とされ、言い換えれば1000ガロン当たり2ドルというエネルギー・コストになるということを意味している。水源地におけるメタノールのレベルは10ppmを超えることはないとみられることから、実際のコストは潜在的にこれより低いものとみられる。

MTBEの処理と比較し、メタノールの処理は2倍の電気が必要で、これが処理コストを高くしている。単位当たりのコストはシステムの規模が小さくなるにつれ上昇する。飲料水からMTBEを除去することに関連した処理コストに関するMalcolmPimnieの最近の研究の中で、飲料水からMTBEを除去するためのコストは大規模処理システム(6,000gpm)では1,000ガロン当たり$0.50の低さであり、小規模処理システム(60gpm)では1,000ガロン当たり$1.50という高さになると推定している。メタノール汚染物質の最後の5-10%の部分を処理する最終プロセスにおいて、他の処理技術(とりわけ生物学的処理)と紫外線/酸化技術を組み合わせることがまた可能であり、いくつかのケースではより実現性が高くなる。最後に、高等酸化プロセス(AOP)技術は現場の特定の基準で考慮しなければならない酸化副産物を形成する可能性がある。このように、メタノールの除去のための高等酸化プロセスの妥当性については、処理コストと副産物形成の問題を解決するために現場における特定のパイロット研究が必要とされる。

 

5.6 膜

 

逆浸透あるいは微小濾過膜が水から有機化合物を除去するために使用できる。これらのプロセスはサイズの大きさで排除することにより有機分子を除去する。しかしながら、メタノールはそのサイズの小さいことと分子量の低さで水に類似しているため、膜は通常効果的ではない。逆浸透膜の主要な販売元は、この技術を使用したメタノールの除去は20%以下であると報告している。比較として、彼らはイソプロピル・アルコールのような大型のアルコール(5つの炭素原子を持つ)では98%のレベルまで膜により除去することが可能であると述べている。

 

5.7 生物学的処理(生物学的活性フィルター)

 

飲料水供給源の中のメタノールは生物学的処理により効果的に処理できる。使用される技術の種類は推定された流入濃度に左右される。流入したメタノールのレベルが1ppmであれば、速度の遅い砂のフィルターが飲料水に対する処理を成功させるため求められる微生物の活動を提供するはずである。高い流入レベル(100から100Oppmの規模)では、空気逆流装置を持つ生物学的活性フィルター(BAF)による処理が求められる。メタノール処理のための生物学的活性フィルターのデザインには、高いメタノール除去効率のための最適なデザイン能力と適切な稼動条件を判定するためのパイロット研究が求められる。

 

 

 

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