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4.0 メタノール添加物

 

4.1 添加物の目的と背景

 

メタノールはガソリンや他の化石燃料に対する実証された代替物である;しかしながら、メタノールの漏洩による潜在的な環境への影響のほとんどの評価は、まず第一にメタノールの消滅に集中し、すべての潜在的、付随的な影響については後回しにされた。他の燃料と同様にメタノールは性能、汚染あるいは健康問題に対応するため、添加物の使用を必要とするかもしれない。

添加物がメタノール燃料の広範な利用のために必要とされるかどうかは、現時点では不明であるが、燃料資源としてのメタノールの使用に関するいくつかの潜在的な安全性の問題が、その化学的、物理的特性に基づき確認された。80年代および90年代初頭に実施されたいくつかの調査がメタノールに関連した、よく知られた安全性、健康および環境問題を確認し、これらの問題に対応するための潜在的な添加物のリストを作成した(Machiele、1989年、1990年)。生産者は現在彼らの添加物の調査とテスト作業の重点を、光度(燃焼する炎が見えること)、味覚(摂取を防止する)および着色に置いている。これらの添加物へのニーズを評価すること、最も適切な化合物を確認すること、燃料電池の効率に与える影響の判定、そしていくつかの人間の健康と安全の問題に対応するに当ってのその有効性を資料化することに調査の重点が置かれている。このために、添加物それ自体の物理的特性を評価し、これらの添加物がメタノール燃料の漏洩の後、どのようにして土壌、大気あるいは地下水に影響を与え得るかについて評価することは有用である。

 

4.2 3つの知られた添加物の消滅と移動

 

この章では添加物のための有望な化合物の消滅と移動、およびこれらの化合物が環境に漏洩した場合の潜在的な環境への影響に関する短い要約を提供する。

4.2.1 光度

いくつかの種類の化合物がメタノールの光度を高めることが確認された。それらには以下が含まれる:炭化水素混合物、芳香族、脂肪族、オレフィン、その他アルコール、エーテル、金属有機塩およびアルコール可溶性有機染料。サウスウエスト研究所(Southwest Research Institute)とカリフォルニア大気資源委員会(California Air Resources Board)により実施されたテストにおいて (Fanick、1990年)、トルエン(>4%容積)と特許になっている2つのアルコール可溶性固体 (MOとAO)が最も良好な結果を示した。たとえば、トルエンの含有量を4%から10%に変えることにより、光度は10から100倍増加する。これらの潜在的発光添加物の化学的および物理的特性の抜粋が表4-1に示されている。

 

 

 

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