日本財団 図書館


その後の研究でこれらの研究者は酸化還元条件の下でのメタノールのバイオ分解を調査した(Mormileその他、1994年)。硝酸塩還元状況の下でメタノールは消費きれた硝酸塩と科学量論的に見合う量で分解された。しかしながら、硫酸塩還元状況の下では、研究者は硫酸塩還元バクテリアはメタノールを利用していなかったと結論づけた。一般的に言えば、高い濃度のメタノールは環境に意味のある程度には硫酸塩還元バクテリアにより利用されていない。しかしながら、硫酸塩還元生物は、他の研究においてメタノールの消滅に寄与していることが明らかにされており、メタノールを利用できる少なくとも4種類の硫酸塩還元バクテリアが分離された(NanningaおよびGottschal、1986年;Esnaultその他、1988年)。

他の研究室の研究では、さまざまな酸化還元条件の下での、およびさまざまな環境からの微生物によるメタノールのバイオ分解が報告された。たとえば、メタノールの好メタン分解が、純粋培養菌に関してと同様に嫌気性の消化生物から得られた濃縮培養菌に関して実証された。馴化期間のない濃縮培養菌および純粋培養菌によるメタノール分解の速度は1.92と1.37ppm/分と報告された(それそれ図2および6Bからの援用、BagleyおよびGosset、1995年)。Fitchその他(1996年)もまた1500から2700ppmのメタノール濃度で、化学的安定培養の中でメタノールを利用する培養菌を育て、メタノールで生育した細胞の増殖数が、以前メタンオトロフスに関して報告された結果と一致していることを明らかにした。Florencioその他(1993年)はアルコール蒸留の老廃水を処理するために使われる嫌気性の顆粒状スラッジの反応器から得られた培養菌により、pH値の範囲でメタノールの嫌気性バイオ分解を調査した。Florencioその他(1995年)はアップフロウ型嫌気性スラッジ包括反応器の中でメタン系とアセト系によるメタノールの嫌気性除去を観察した。これらの研究からの結果は、メチルオトロフスのメタン系が広いpHの範囲で (4.2から7.2)優勢となり、一方メタノールが高い濃度の状況において、アセト発生が顕著に生じた。最後にBeemanとSuflita(1987年)はオクラホマ州の自治体の埋め立て地にある浅い無酸素の帯水層から、微小生態系でのメタノールのバイオ分解を観察した。メタン発生により生産されたメタンの70から100%を回収することにより、彼らはメタノールのメタンが発生していたことを実証することができた。

3.1.2.2 吸着

地下水からのメタノール消滅のもうひとつのメカニズムは土壌への吸着である。しかしながら、吸着は土壌および地下水における急速なバイオ分解速度および乾いた土壌からの蒸発の急速な速度のため、環境からのメタノールの消滅に重要な役割は果たしていない。その極性、低いKD値、およびすでに述べられたような混和性のため、メタノールのような化合物にとっては吸着はほとんど期待されない。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION