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表3-2 好気性および嫌気性分解に関する比較速度定数

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1)CorseuilおよびAlvarez1996年bからの推定;Corseuilその他,1996年cおよび1998年;2)Suflitaその他,1993年;3)Aronsonその他,1997年;4)Hubbardその他,1994年;Rathbun,1998年;6)Barkerその他,1998年;7)Novakその他,1985年;8)BagleyおよびGossett,1995年;9)Florenciaその他,1995年;10)Barkerその他,1990年;11)研究室での判定;12)野外データでの判定;13)第1原理から推定。

 

研究室での研究において、メタノールのバイオ分解はきまざまな酸化還元条件の下で3つの異なった土中の場所からの土壌で調査された(Novakその他、1985年)。最初の場所は好気性で、また硝酸塩を多く含んでいた;2番目の場所は無酸素で、硝酸塩は少ないが硫酸塩の濃度は高かった;そして3番目の場所は無酸素で硝酸塩および硫酸塩とも低いレベルであった。加えられたメタノールの量が嫌気性の状況を生み出すに十分であったにもかかわらず、急速なバイオ分解が最初の場所の微小生態系で、飽和(4.19から4.55ppm/日)区域と不飽和(4.44から5.15ppm/日)区域の両方で発生した。急速なメタノールのバイオ分解はまた2番目の場所の飽和区域(1.33から3.18ppm/日)と3番目の飽和区域(1.Oから2ppm/日)からの微小生態系で観察された。この研究で1,000ppmまでのメタノールの濃度は10から11℃および4.5から7.8のpH範囲で1年以内に除去されると結論づけられた。メタノールはテストされたすべての土中の土壌の中で容易にバイオ分解され、飽和区域ではより急速にバイオ分解のプロセスが進行することが明らかにされた。この研究は地下水へのメタノール汚染は、メタノールが好気性および嫌気性の両方の条件の下で容易にバイオ分解されるため、長期間は残存しないことを示唆している。

もうひとつの研究室の研究で、SuflitaとMormile(1993年)は有機濃度が50ppmの嫌気性の帯水層スラリーの中で、メタノールとその他さまざまなアルコールと燃料酸化物の駆化期間(分解が進行する前の期間)とバイオ分解速度を測定した。これらの研究者は嫌気性のメタノールのバイオ分解速度が7.4±0.7ppm/日であったことと、メタノールの駆化期間が5日であり、これはテストされた全てのアルコール(他のアルコールはエタノール、2-プロパノールおよび第3ブタノール)の中で最短であったと報告した。

 

 

 

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