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米国石油協会は8.5%(v/v)以下のメタノールの水性濃度に関しては(すなわち約10倍の希釈要素)、BTEXの溶解度は増加しなかったと結論づけた。メタノールの濃度が8%から25%に増加した時、BTEXの溶解度はメタノールの濃度と並行して増加した。メタノールの濃度が25%(v/v)以上ではBTEXの溶解度はメタノールの濃度の増加をはるかに超えて(指数関数的に)増加した(表2-1参照)。結果として、BTEXの相互溶解性の程度は、希釈因子のひとつの機能であるBTEX/メタノール・プルームの相互作用の時点におけるメタノール・プルームの濃度に左右きれる(Barkerその他、1991年)。

表2-1 BTEXの水生溶解度に関するメタノールの効果

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(Barkerその他、1990年)

M85に関する相互溶解の実験はまたオンタリオ州Bordenのカナダ軍隊基地においても行われた。過去の研究と同様に、Bordenの研究からも0.7%(すなわち7,000ppm以下)のメタノール濃度に関してはBTEX化合物の移動性や溶解性に特段の変化はなかったと結論づけられた。しかしながら、この研究では25%(すなわち250,000ppm)以上のメタノール濃度に関して移動度の向上が起こりうることが結論づけられた(Barkerその他、1990年;Hubbardその他、1994年)。これらの濃度はブルームの部分では起こり得ないので、低い希釈因子を持つM100やM85プルームの発生地域において想定することができる。

 

 

 

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