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石油とガスの埋蔵他はどこか

世界の確認埋蔵量の約4分の3は中東と旧ソ連に集中している。これらの地域はその燃料が原油からのものか、あるいは天然ガスからのものかを無視すれば、輸送燃料の生産において重要な役割を演じ続けるだろう。

その他の資源

液体炭化水素は原油以外の資源から生産可能である。気─液技術を使いクリーンな炭化水素燃料がすでに天然ガスから生産可能である。天然ガスにより炭化水素燃料のための世界の資源のべースが効果的に倍増された。加えて、ベネズエラ、西カナダおよび世界の他地域で発見されているアスファルト状の原油の巨大な埋蔵地に、重油を高品質化させる技術を適用することで10億バレル以上の石油が手に入る。

ガソリンとメタノール燃料はまた石炭や木材からも生産できるが、原油や天然ガスから燃料を生産するコストと比較した場合、そのためのコストは非常に高い。これらの技術に大きな躍進がないとしたら、原油と天然ガスが今後も輸送燃料のための主たる資源であり続けるだろう。

資源と燃料生産

世界で最も接近が容易な石油とガスの埋蔵地の多くは中東と旧ソ連に集中しているにもかかわらず、実際の石油とガスの生産はむしろ逆である。確認埋蔵量の65%以上が中東にあるが、現在の原油の30%以下しかこの地域から産出されていない。

ガソリンとディーゼル燃料は通常それらが使用される地域で精製されるため、炭化水素燃料の精製はさらに広く分散している。たとえば、米国では使用するガソリンの96%以上を生産している。対照的に、北米で消費されるメタノールの25%以上は輸入されており、この数字は今後増加することが見込まれている。

事実、建設中あるいは建設の計画があるものを含め、すべての新しいメタノール・プラントの約70%は中東とラテン・アメリカにある。これらの地域のガスを商品化する選択肢がないため、天然ガスのコストは米国国内と比較し、50%から75%低くすることが可能である。天然ガスの高い輸送コストのため、メタノールの工場は天然ガスが最も安い場所、つまりその産地に建設される。メタノールが価格でガソリンに太刀打ちできる輸送燃料になった場合、製造工場の海外移転の動きは加速するだろう。

 

 

 

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