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燃料の硫黄の除去

ガソリンは硫黄を含んでいるが、硫黄は特定の成分に集中している。ガソリンの主要な混合成分のいくつかは全く少量の硫黄しか含んでいない。触媒改質、アルキル化、異性化および水素化分解のようないくつかの主要な精製工程からの製品はわずかなレベルのppmの硫黄しか含んでいない。これらの製品、あるいはその前の製品が燃料電池のための特定の低硫黄混合物の主要成分となる可能性がある。数百万バレルのこれらの製品が世界中で毎日生産されており、その量は予見可能な未来において燃料電池自動車に必要と予測される量に十分適合している。

追加的な硫黄の除去が特定の精油所において必要な場合、燃料電池自動車のために低オクタン・ナフサ製品から硫黄を除去するために必要とされる投資は、従来のガソリンのために必要とされる高オクタン製品から硫黄を除去するために必要な投資より小額ですむだろう。特別な燃料電池の質のガソリンのための投資は、メタノールのような新しい燃料を生産し供給するために必要な投資の1%以下の額であろう。

車での硫黄の除去

硫黄を除去するためのもうひとつのオプションは車でそれを除去することである。酸化亜鉛などのような高価でない材料から作られた硫黄除去器は、非常に低い硫黄のレベルを達成するために他の機器で効果的に使用されて来た。除去器はガソリン配送システムからすべての硫黄汚染物を取り出すために使用することができ、あるいはそれらは完全な硫黄除去段階として使用できる。Epyxは改質器の中で使用されている通常のガソリンにおいて、硫黄を1ppmにまで除去することを実証した。

候補のガソリン燃料

いくつかの燃料が燃料電池自動車のための優れた候補である。通常のガソリンは供給が容易で、研究室での実験でもうまく稼動している。現在、大規模な精油所はいくつかの品質のガソリンを生産しており、燃料電池自動車のためにそれらの中のひとつを使用することで、配送システムや販売システムにもうひとつの燃料を追加する費用や複雑さを減らす。特別に改良されたガソリンが自動車の性能を最大化するために必要とされる。

 

 

 

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