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図6.2

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ガソリンは原油から生産される多くの製品のうちのひとつである。ひとつの製油所は特定地域の品質規格に適合するために10種類以上のガソリン混合物を生産することができる。

炭化水素燃料の柔軟性

部分酸化改政質器がメタノール蒸気改質器に対して持つひとつの優位性は、ガソリン、ジェット燃料、エタノールおよび天然ガスを含むさまざまな燃料を燃焼できるその能力である。

研究者は短期の試験で現在の通常ガソリンで走行可能な改質器を実証した。特別に改良されたガソリンはその性能を改善することが可能で、ガソリン成分のいくつかを除去することで、魅力的なコストで生産することが可能である。たとえばオクタンは内燃エンジンにとって重要であるが、それは燃料電池の性能には全く無関係である。同様に排出を低下させるために現在ガソリンに混合されている高価な酸化剤はもはや必要とされないだろう。

ガソリン中の硫黄のレベルについて

硫黄は最も重要な燃料の質の問題である可能性がある。高いレベルの硫黄は、エンジンの中で使用される触媒のいくつかを阻害することで、燃料電池エンジンの性能を低下させる可能性がある。硫黄の許容可能なレベルが定義される必要があるものの、それをわずかなppmにまで減らすことが、燃料電池システムの長期の性能を確保するために必要であろう。

現在のガソリンに含まれる平均的な硫黄のレベルは、通常先進国においては30から300ppmである。燃料電池の低硫黄規格に適合するために、硫黄は燃料から除去するか、自動車で除去されなければならない。いずれのオプションも、メタノールのような完全に新しい燃料を生産し配送する費用と比較すれば比較的易いコストで適応することができる。

 

 

 

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