日本財団 図書館


カリフォルニア大気資源局(CARB)はいくつかの世界で最も厳しい自動車排出ガス基準を設定し、将来のためにやや緩和された基準を提案している。CARBの排出ガス基準はしばしば先進自動車のための排出目標である。ガソリンあるいはメタノールで稼動している燃料電池自動車は超低排出自動車(SULEV)の排出基準、つまり非ゼロ排出自動車に関する最低基準に適合する可能性を持っている。

乗用車に関する力リフォルニア大気資源局の排出基準

1ガロン/マイル1

091-1.gif

1 SULEVの120,000マイルを除き、150,000マイル

開発の進展

メタノール蒸気改質システムはその他の改質器の設計より開発が進んでいる。ゼネラル・モータース、ダイムラー・クライスラー、トヨタおよび日産のすべてがメタノールで走行する稼動中の燃料電池試験車を所有している。1号車は1997年の暮れに開発された。ゼネラル・モータースとArthur D.Little Inc.の子会社であるEpyx Corporationの両社は実験室における統合されたガソリン・システムの実証試験を行なったが、自動車の実証試験は2000年以前には予定されていない。

燃料電池のエンジンの設計は著しい技術の進歩を遂げたが、それらが消費者の手に渡るまでには、今なお多くの技術上の障害を克服しなければならない。上述した問題と並んで、個々の設計はコスト、信頼性およびサイズにおいて競争力のあるレベルに到達しなければならない。

メタノール燃料電池が現在の技術を使い大量生産されるとしたら、それらは内燃エンジンより約10倍コストがかかり、大きすぎて乗車スペースを犠牲にすることなしに小型自動車に適合させることはできないだろう。ガソリン改質器は少なくともできるだけコストとサイズを減らす必要がある。加えて、実際の運転状況での両システムの長期的な信頼性が、今後試される必要がある。これらのデザイン、あるいは他の選択肢のいずれが主導権を取るかを評価するにはなお時期尚早であることは明らかである。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION