日本財団 図書館


短所

ガソリン・デザインの主な短所はそれが追加的な反応を必要とする可能性があることである。さらに、ガソリン改質器のより高温の稼動温度は、メタノール蒸気改質器のためのデザインより、さらに熱に強いハードウェアを必要とする。これらの要因により、ガソリン改質器はメタノール改質器よりやや大きめでより高価になる可能性がある。

その他の問題点は、内燃エンジンのために設計された現在のガソリンの質は少量の硫黄を含んでおり、これはわずかなppmの低いレベルでも燃料電池スタックにとって触媒毒であるということである。燃料電池自動車は燃料配送システムの既存の質のガソリンを置き換えることができる、硫黄分の少ないガソリンの質を必要とする可能性がある。

効率と排出

メタノールとガソリン・システムは、標準的な運転サイクルのもとで全体的なシステムの効率が比較できるようなところまではまだ開発されていない。自動車の効率は最終的には個々の部品の効率と、それらの部品を効率的な動力伝達系の設計にうまく組み込んだかにより判定されるだろう。

燃料電池スタックは通常の負荷のもとで50-60%の効率であり、うまく組み合わされた反応器では安定状態の条件で78-85%の効率を示した。始動時、過渡期および低負荷の条件のもとでの効率のロスは末だ十分には計量されていない。それらは最終的にはシステムの最終的な設計に依存するだろう。メタノールとガソリン燃料電池自動車の両方は、現在の内燃エンジンよりはるかにエネルギー効率のいいものである必要がある。しかしながら、それぞれのシステムはそれらの間の効率の違いが測定できるようになるまでに、さらなる開発が必要である

メタノールとガソリン燃料電池自動車はまた、現在の自動車よりはるかに優れた排出の利点を提供しなければならない。ガソリンとメタノール改質器は内燃エンジンよりはるかに低い温度で稼動するため、それらは窒素酸化物をほとんど排出しない。加えて、両反応器の一酸化炭素と炭化水素のレベルは、カリフォルニアの超低排出自動車(SULEV)に関して提案された基準よりさらに低いものである。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION