燃料電池はいつ自動車のために使用できるか
従来より軽量で安価であるにもかかわらず、自動車のための燃料電池エンジンは今なお、通常の内燃エンジンよりはるかに高価である。しかしながら、研究と大量生産の効果によりそれらのコストは下がり続けるだろう。
自動車と燃料電池のメーカーは今後5-10年以内に、燃料電池エンジンのコストを内燃エンジンのコストに近づけることができるだろう。さらなるコスト削減を考慮に入れて、自動車メーカーは現在、2005年までに燃料電池自動車を市場に投入する準備が整うだろうと公言している。
燃料電池はどのように機能するか
燃料電池は電気、熱および水を作る化学反応の中で水素と酸素を結合させる。頻繁な充電を必要とするバッテリーを動力とする電気自動車と異なり、良好な作動環境にある燃料電池は燃料が続く限り稼動するだろう。
燃料電池は電解質の両側に、陽極と陰極の2つの電極を持つ。稼動中に、水素燃料が陽極側に、酸素(あるいは空気)が陰極側に送り込まれる。
通常、白金である触媒が水素原子からその電子を剥ぎ取り、水素イオンあるいは陽子と1個のフリー電子にする。陽子は電解質を通り抜けて陰極に達するが、電子は外部回路を通って流れ、このため電流が発生する。電子が最終的に陰極に戻った時、それらは空気中で水素イオンと酸素に再結合し水を作る。
燃料電池は本来、内燃エンジンより効率的であり、現在の中型自動車エンジンで通常達成される25%以下の熱効率に対し、60%以上の熱効率を実証している。加えて、陽子交換膜燃料電池は低温で走行し、このため内燃エンジンよりはるかに少ない排出ガスですむ。
燃料電池の種類
アルカリ─電解質としてアルカリ性カリウム水酸化物を使用し、アルカリ型燃料電池の熱効率は70%にまで達する。アルカリ燃料電池は多年にわたり宇宙船に使用されたが、最近までそれらは商業用には高価すぎた。
溶融炭酸塩─これらは華氏1200度近い温度で稼動するため、この種類の燃料電池はおそらく産業での使用は限定されるだろう。大規模な溶融炭酸塩スタックが1996年に配送電力生産のためにテストされていた。