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よりクリーンな運輸をめざして

 

ゼロ排出自動車の進歩(1990年代)

1992年の国内エネルギー政策法と並び1990年の修正大気清浄化法が、米国におけるより汚染の少ないガソリン自動車と代替燃料自動車の導入に道を開いた。1990年にはまた、カリフォルニア大気資源委員会が、最もクリーンなガソリン自動車でさえ健康な大気のための州の目標を達成するのに十分に汚染を減らすことができないと判断した。ロスアンゼルスのような汚染が深刻な地域において州および連邦の大気基準に適合することは、運転を規制か、汚染のない自動車への大規模な転換のいずれかが必要とされるだろう。カリフォルニア州は、7つの大手自動車メーカーに直ちにすべての排気ガスを減らし、1998年までにゼロ排出自動車(ZEVs)を導入することを強制する低排出自動車法を採択した。

1996年3月に、カリフォルニア大気資源委員会は近い将来における市場べースでの導入を促進し、電気自動車(燃料電池を含む)の技術の将来の進展を助長するために、そのゼロ排出自動車プログラムを修正した。2003年の初めに、新車販売台数の10%はゼロ排出あるいはほぼゼロに近い排出の自動車─ゼロ排出相当車として知られる─であることが求められている。

カリフォルニア州が実施した行政による先導と、それに続いた北東部のいくつかの州での同様の規制により、すべての大手自動車メーカーは極端に低い、およびゼロ排出の自動車の開発に向け大きな進歩を見せた。

燃料電池エンジンのめざましい開発は、運輸に関する消費者に新しい選択肢を提供すると同時に、カリフォルニア州のスモッグとの戦いを支援するだろう。

カリフォルニア大気資源委員会、1998年8月

運輸部門における過去30年のサクセス・ストーリーは、新車からの大気汚染排出物の劇的な削減であった。ガソリン自動車の排出量は70-90%低下し、よりクリーンな自動車のためのコストもまた低減した。現実の運転条件のもとで、実際の削減は窒素酸化物が70%、炭化水素と一酸化炭素の排出が90%となっている。ほぼゼロの排出の自動車が視野に入ってきており、カリフォルニアと北東部の諸州での規制が2003年までに新車販売台数の10%をゼ口排出自動車として市場に投入することを強制しているため、さらに大きな排出の削減が目前である。

 

 

 

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