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ポリマー電解質膜燃料電池の効率、出力およびエネルギー

燃料電池のエネルギー転換は以下の方程式で要約することができる。

燃料の化学エネルギー = 電気エネルギー + 熱エネルギー

理想的な単一燃料電池は、電流ゼロ(「開放回路」状態)、80℃でおよび1気圧ガス圧において1.16ボルトを生み出すだろう。ある燃料電池のための優れたエネルギー転換効率の測定方法は、水素/空気反応に対する理論的最大電圧と実際の電池の電圧の比率である。これによれば、0.7ボルトで稼動している燃料電子は、出力の形で燃料から利用できる最大有効エネルギーの約60%を集めている。もし同じ燃料電池が0.9ボルトで稼動している場合、最大有効エネルギーの77.5%が電気として供給されている。残りのエネルギー(40%あるいは22.5%)は熱として出てくる。燃料電池に関する特色のある効率曲線は、外部回路における負荷により燃料電池から得られた、膜の部分に分離された電流の総量である電流密度の機能として、電池の電極で供給される直流電圧を示している。

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電圧と水素/空気ポリマー電解質膜燃料電池の電流密度のグラフ

電池により供給されワットの単位で表示される出力(P)は、引き出された電流(I)とその電流での電極電圧(V)の産物である(P=IV)。出力は、またエネルギー(E)比であらわすことができる(P=E/t)、つまり逆に、ワット時の単位で表示されるエネルギーはある一定の時間に利用できる出力である。また燃料電池システムの質量と容積も非常に重要であるため、追加的な条件が使用される。特定出力は電池の質量に対する電池により生産された出力の比率である;出力密度は電池の容積に対する電池の出力の比率である。高い特定出力と出力密度は、コストを最小化することと同様、燃料電池の重さと容積を最小化するために、輸送機器にとって重要である。

 

 

 

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