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背面層

 

燃料電池のハードウエアである背面層、フロー面および電流コレクタは膜/電極部品から得ることができる電流を最大化するために設計されている。陽極の隣にひとつ、陰極の隣にひとつある、いわゆる背面層は通常多孔性炭素紙あるいは炭素布で作られており、普通100から300ミクロンの厚さである(4枚から12枚の紙の厚さ)。背面層は陽極に存在し陰極に入り込む電子を伝導することができる炭素のような素材で作られなければならない。

背面層の材料の多孔性という性質は、膜/電極部品上の触媒への各反応ガスの効果的な拡散を確かなものにする。この意味で拡散は、ガスがフロー面の中で流れている背面層の外部である高濃度の領域から、ガスが反応により消費される触媒層の隣の背面層の内部である低濃度の領域へのガス分子の流れに関係している。背面層の多孔性の性質は、ガスが背面層に浸透する時、触媒化された膜の全表面域と接触するようにガスが拡散することを可能にする。

背面層は、また燃料電池で動作する水の管理を支援する;少なすぎる、あるいは多すぎる水は電池を停止させる原因となりうる。適正な背面層の材料は正しい量の水蒸気が膜の湿り気を維持するために膜/電極部品に到達することを可能にする。背面層の材料はまた陰極で作られた水が「溢れ」ないように電池から離れることを可能にする。気孔の詰りは電極で起こる反応の良好な速度に必要な急速なガスの拡散を妨げる原因となる。水による炭素布(あるいは炭素紙)の少なくともある程度の、望むらくはほとんど気孔の詰まりが生じないようにするため、背面層はしばしばTeflonTMで防湿処理されている。

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