/調査概要/
米国運輸省では、燃料電池自動車に関する技術基準策定の考え方、技術基準検討状況を調査した。以下に概要を示す。
1] 燃料電池自動車技術基準について
・ DOTは基本的に実験車両についての規制や認証は全く行わない。従って燃料電池自動車(FCEV)についても、今はそのようなものは全くない。企業は実験の計画や車両の特性、スペックなどを報告する義務は無い。車両ナンバー交付は、州政府の事項であり、ナンバーが無ければ公道を走れないということも無い。事故等に対する責任は製造者が持つものであり、その点を充分に配慮した準備の上で実験をしているものと信じている。政府の規制よりも企業のほうが注意すべき点を良く理解しており、政府が事前に安全上の規制を行う必要は無いと考えている。
・ 現在、技術が確立していない段階で燃料電池の技術基準検討は難しい。技術が成熟したら検討することになろう。
・ 従って、燃料電池自動車のデモンストレーションが全米各地(3カ所)で行われているが、それらについても全くノータッチである。また、NHTSAは燃料電池自動車のプロジェクトに全くタッチしていない。
2] その他(FTA、Mr.Siegelより)
・ FTAは議会から予算をとり、先進自動車研究に配分している。配分するために、予算要件に合っているか基準(例えばエミッション、燃費)に照らし合わせてみることはあるが、ただそれだけのこと。
・ GUのバスプロジェクトの費用に関しては、大まかに言うと以下のとおりである。
200kW・PEM型燃料電池バスプロジェクト 4700万ドル(約51億円)
改質器開発費 700万ドル
燃料電池スタック開発費 300万ドル
バス(バラード、水素燃料) 120万ドル
4.4.3 米国エネルギー省
/訪問日時/
平成12年3月7日(火)15時15分〜16時
/会議場所/
Argonne National Lab.955L'Enfant Plaza, Suite6000, Washington DC
/応対者/
Mr. Steven Chalk米国エネルギー省先進自動車技術室
/調査概要/
1] 燃料電池自動車について
短期的燃料として、自由度の高い改質器を用いたガソリン系燃料を、長期的燃料としては水素を考えている。これは、短期的には、インフラの面で多くの投資と設備の変更を考えるのは好ましくなく(長期的には燃料が変ると考えているので)、生産、安全性、燃料供給保証の点から、政策決定にリスクの少ないものを選ぶべきであると考えているからである。
燃料電池自動車の効率は従来のディーゼルより良いが、ハイブリッド車と同等と考えている。二酸化炭素削減よりもむしろ排気のクリーン性を重視しているようである。天然ガスの燃料電池研究も行っているが、これは定置式を想定したものである。