第1章 調査の概要
地域環境問題および地球的規模の環境問題、エネルギー安全保障の観点から、低公害・代替燃料自動車の普及が、先進各国の共通の課題となっている。特に今後、運輸部門から排出される二酸化炭素の増加が見込まれており、その排出抑制が強く求められている。国情の違いがあるものの、特に先進各国ではこれらの問題に対し積極的に取り組んでいる。これらの情報を収集し、日本における低公害・代替燃料自動車の普及促進に資する必要がある。
この調査の目的は、自動車用としてのクリーンな燃料の特徴、それぞれの地域、国における低公害・代替燃料自動車普及促進状況、政策、課題等を調査し、さらに昨今の国際的な動向の一端を紹介し、我が国の低公害・代替燃料自動車普及に寄与することである。この報告書では、限られた範囲ではあるが、地域環境問題および地球的規模の環境問題、エネルギー安全保障の観点で、日本を含め、最近の低公害・代替燃料自動車の国際的な動きに関する種々の情報を報告する。
調査の方法は、公開されている文献情報等の収集・まとめ及び国際エネルギー機関(IEA)等の国際会議に参加した際に、近隣諸国の政府機関、低公害・代替燃料自動車の研究機関への訪問及び国際シンポジウム等への参加を行い、低公害・代替燃料自動車に関する動向、技術情報に関するヒヤリング、資料収集、まとめを行った。重要資料については翻訳を行った。
なお、技術動向は多岐にわたっており、この調査の目的からそれら全てを詳細に報告することはできないので、以下の焦点に絞って紹介する。
・最近注目されているクリーンな燃料に関する情報
・最近の技術動向に関する情報(特に、燃料電池自動車)
・上記に関する特徴的な普及政策に関する動向