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しかしながら、以上の区分は参考のためだけのものであり、それ以上の何者でもない。地勢その他の状況は、それぞれのケースにおいて公正さに照らして評価されなければならない。

 

係争中の島々と境界線の画定

 

24. 北東アジアにおける海上境界線を画定する上で最も難しい問題の一つは未解決の島の領有権をめぐる争いをいかに処理するか、即ち独島(竹島)をめぐる韓国と日本の争い及び尖閣列島(釣魚島)をめぐる日本と中国と争いである。れらの争いには2つの側面がある。第1は、島の主権をめぐる争いであり、第2は海洋の管轄権をめぐる争い、即ち、これらの島が持つ大陸棚の境界線画定に係わる効力についての争いである。

しかしながら、主権をめぐる争いは、これらの島が存在する位置のため、この地域の大陸棚あるいはEEZの境界線争いと切り離して考えることはできない。海上の境界線は、必ず政治的な境界として確認されることが前提であるので、これらの島々の主権争いは、境界線をめぐる争いを解決する上で、大きな障害の一つとなっている。

 

25. これまで、この間題に対するアプローチの方法として主として次の3つの見方があった。

第1は、2つの問題を不可分と見るもので、従って領土問題の解決は海底に関する争いに関しては、これだけは譲れない(a conditio sine quanon)と考えるものである。

第2は、主として新海洋法条約における討議の結果としての島嶼に関する制度の新しい進展によって利益を受けた見方で、それによれば、そのような進展によって、境界線をめぐる争いは領土問題から切り離しても良いとするものである。従って、この見方は、現在の国際法の下で、その領土問題が適切であるか否かということに焦点を合わせている。

第3のアプローチは、これらの島が中国あるいは日本のいずれかに帰属するものと仮定した前提に立脚しての選択肢の分析のようである。

 

26. 領土問題の解決がいかに難しいかは別として18、第1のアプローチは、境界線争いの問題解決に殆ど資することがない。しかし、第2のアプローチは実際的なアプローチのようであるが、率直に言えば、その弱点は、係争中の島は、それ自体で大陸棚を発生させられないことが判明しない限り、境界線画定に関して係争中の島々の効力を推測することはむずかしいようである。

 

 

 

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