21. 全ての島々に海洋スペースの権利を認めた場合、公海部分が著しく小さくなるので、新海洋法条約は、ある島々については大陸棚あるいはEEZを認めなかった。このようにして、同条約の第121条第3項は「人間の居住あるいはそ自身の経済生活が維持できない岩は、排他的経済水域あるいは大陸棚を持ち得ない」と規定している。しかしながら、「人間の居住又はそれ自身の経済生活を維持し得ない岩」が何を意味するか決して明確ではない。島の状況が1つ1つ大きく異なるという現実から、極めて困難な問題が生じることとなる。
あるケースを検討する場合、どの場合でもあらゆる関連状況を考慮に入れる必要があると言えば十分である。しかしながら、第3項は明らかにある種の岩には大陸棚やEEZの権利を与えないことを意図したものであったから、そ時無意味な規定になるよりは例外規定を設け、より厳密な解釈が与えられるべきであった。
境界線上の島々の効力
22. ひとたび島に大陸棚あるいはEEZの権利が与えられれば、隣接国との間の境界線の画定に際して、大陸棚やEEZがどこまで認められるかという疑問が生じる。あらゆるケースに適用が可能な定形の方式、例えば境界線上の島々が持つさまざまな地理的特性が持っ効力を正確に示すような方式を考え出すことは恐らく困難であろう。
更に境界線上の島々の効力を検討する場合、単に地理的状態だけでなく、関連する人口統計、政治的、経済的、法的等の要因も併せて検討する必要がある。このパラメターの多様性は、島々の効力を分類しようとするあらゆる試みをより困難にするようである。
23. しかしながら、現代国家のやり方によると、境界内の島の重要度を決定する際の主な要因は、その島の関係位置とその相対的な大きさであるとの意見が広く述べられるようになった。15
これらの要因をもとに島々は3つのカテゴリーに大別できる。第1は、島が本土の海岸線近くに位置している場合と全く同一の効力が与えられる。従つて、境界線は島とその反対側あるいは隣接する沿岸の間に描かれる。第2は、島が等距離線の外側にある場合、その島には何の効力も与えられず、境界線はその島の存在を無視して描かれることとなる。第3は、島が2つの本土沿岸の間の中間に位置している場合で、その場合、島は位置、大きさ、政治状況、人口その他の関連要因によって効力が与えられる。16