18. もし、両国間に地勢的状態の仮の平等(quasi-equality)がある場合、正当化できない取扱い上の差を招きかねない影響を減殺することは、地形を全て造り替えることでもなければ12地勢上の本質的な自然の不平等を特別扱いすることでもない。このような事実を認識しないということは、明白な事実を否定することでもあろう。
このように双方の海岸線の長さに相当な不均衡があることは、公正な境界線を描く際に反映されるべき関連事項の要素となるべきことは明らかである。13
公正は自然の不平等を改善できず、またそうすることは自然を造り替えることにもつながる。前述した海岸線の長さの著しい相違は、自然の不平等の一つに過ぎない。海岸線の長さに実質的な相違があっても、台湾の沿岸にまで至るこれら島々の位置は、中国大陸と同等の立場で大陸棚の発生が認められて境界線を画定する際に、実質的には不つり合いな効力を持つこととなろう。この考え方はこの地域で琉球列島を基点として中間線を定めることの公正さに疑問を呈しているようである。
IV 島々の問題
資格付与に関する疑問
19. 島々の存在は、おそらく境界線画定をより複雑にする可能性のある重要な問題である。島々の存在は次の2つの疑問を生じさせる。第1は、大陸棚あるいはEEZについての資格付与について、第2は、大陸棚あるいはEEZの境界線画定に対する効力についてである。
20. 拡大した国家の管轄権に由来する主要な問題点の一つは、これらの島々から外洋に向う管轄権の限界、即ち全ての島々が大陸棚あるいはEEZを発生させ得るか否かという点に関わっている。
この問題の重要性は、洋上にある1平方マイルの無人の岩礁が140,000平方マイル以上の200マイル海域を支配することを考える場合、より明確になる。
この問題は、また隣接する2国間の大陸棚とEEZ境界線上の島々の存在による効力に間接的に関連する。もし、島々のうちのあるカテゴリーに対して、島によって生ずる大陸棚が認められない場合、これらの島々は最初から大陸棚あるいはEEZ境界線画定に無関係であるのか。14