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排他的経済水域(EEZ)が沿岸200マイルまで拡大したことなど新しい海洋法条約によって海洋の治安維持及び資源管理について求められる責任が著しく増大した。そして世界貿易と経済の最近の目覚しい成長は、海上における安全保障に対するより大きい投資を可能とし、シーレーン及び海洋資源の安全保障の重要性も全般的に増大した。

 

海洋の戦略環境

冷戦後の海上におけるCBMの潜在的な任務を検討する場合、その方策として特定の地域的(及びしばしばサブ地域的)戦略環境を検討する必要がある。

 

アメリカ/欧州

現在、アメリカ及び大多数の西欧同盟国は、ロシアとの間に2国間lNCSEA協定を持っている。更に、現存の欧州安全保障協力機構(OSCE)(*2)協定(1986年ストックホルムCDE及びそれに続くウィーン協定)では、大規模な演習の事前通告及び陸上戦闘に投入される海軍部隊(例えば水陸両用戦部隊)に対する視察の受け入れが求められている。一般に欧州における海洋の安全保障の環境は安定しており、冷戦後この地域では海軍の兵力削減が進められている。

 

ラテンアメリカ

ラテンアメリカにおいては近年、海軍兵力の削減が受けいれられている。海上のCBMは特に存在しないが、この地域の殆どの海軍が米国との間で、毎年実施されるUNITAS海軍演習を通じて永年にわたる協力協定(練り上げられた共通の演習及び通信手順を含む)を持っていることから理解される。

 

中東

一方、中東には、アフブ対イスラエルの紛争及び絶え間ない軍備競争の永年にわたる歴史がある。

 

 

 

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